これは延命ではない

経鼻カテーテルをつけて、意識がない状態の葵。

「犬によくそこまで」

「私にはできない」

「かわいそう」

そうなんでしょうか…

目の前にいる暖かくて柔らかくて幸せのかたまりみたいな毛深いかわいい子。

ちゃんと命があり、肝臓は悪いし、意識もないけど、心臓は拍動し、呼吸も穏やかです。

鼻からとはいえごはんを食べて、排泄もします。

もともとお話出来ていたか出来ていなかったかわからないじゃない。

柴犬だけど、雨の日は足が濡れるから歩きたくなくて、足が汚れるから穴も掘った事ないし、ふてくされる時には必ず(ふんっ)と言うような葵ちゃん。

認知症になるまでは、足を踏まない限り声をあげることもない静かな葵ちゃん。

抱っこされるような大きさじゃないのに、抱っこが大好きな葵ちゃん。

お散歩出来なくても、意識がなくても、ただ可愛がられるだけで、そこにいるだけで良いじゃない、って思うのです。

野生なんてずっと垣間見たことないし、愛玩犬として、こうあるのも葵ちゃんらしくて、私のかわいい葵ちゃんとして、ありだと思うのです。

だからこれは延命なんかじゃない。

当然のことです。